ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

BIM2級合格者に聞く

vol.1 東京工芸大学のみなさん

2026.1.14

東京工芸大学で建築を学ぶ2年生の女子学生のみなさんに、建築を学び始めたきっかけや、仲間とともにBIM利用技術者試験に挑戦したエピソード、そしてこれから受験を目指す方へのアドバイスを伺いました。


東京工芸大学

【建築への情熱の源泉は( 建築を志したきっかけ)】

―みなさんは東京工芸大学工学部工学科建築コースに所属されていますが、建築を志したきっかけを教えてください。

長澤 真理さん
長澤 真理さん

長澤さん: 高校の頃の美術の授業がきっかけです。その時に、専門的なものではなく本当にざっくりとした住宅の模型を作ったのですが、その考える過程や実際に出来上がった模型を見て、「面白そうだ」と興味を持ちました。当初は、外観的な意匠の部分に興味を持った感じです。

早川さん: 私は、幼稚園の頃から『TOKYO STYLE』(都築響一著/筑摩書房)という写真集を見ていたのがきっかけです。高校が工業高校の建築科だったので、大学でも建築を学びたいと思っていました。

金子さん: 私は、幼稚園生の頃にダンボールで寝られるスペースを作ったのがすごく楽しくて、そこから作るのが好きになり、特に家をイメージして作ったことが心に残っていたので、建築学科に進むことにしました。

―現在大学2年生で、建築を約2年間学ばれてみて、高校時代のイメージとの違いや印象はいかがですか?

長澤さん: 高校の頃はどちらかというと芸術として建築を捉えていましたが、大学では設備や構造、法律など、専門的な分野がどんどん積み重なっていくので、難しさも感じますが、建築として深いところに進んでいっているのが楽しいです。高校で作った住宅の模型などは、今見ると法律的にも構造的にもガタガタだったと分かります。大学ではルールの中で建築を行うので、難しさも感じています。

早川 珠綺さん
早川 珠綺さん

早川さん: 1年生の時は高校で習ったことの復習という感じでしたが、2年生になってからはより詳しい内容をやっていて、建築物の名前や設計方法を詳しく知ることができて楽しいです。高校時代の下地があったおかげで、学習は少し楽でした。

金子さん: 専門的な知識は難しいんですけど、「なんでこんな形をしているんだろう」といった謎がどんどん解けていくのが、とても楽しいと思っています。

【BIMの学習】

―みなさんは大学入学前からBIMやCADの存在をご存知でしたか?

早川さん: 高校で製図やCADをやっていました。BIMについては、卒業設計などで使っている人がいるという話を聞いたことがあり、存在自体は知っていました。

長澤さん: 私は大学に入って、ちょうど半年くらい前からBIMやCADに触り始めました。高校の時は全く知らず、触ったこともありませんでした。BIMという言葉も大学に入ってからです。

金子さん: 私もBIMやCADは大学に入るまでは全く知りませんでした。

―森谷先生は、主にどのような指導をされているのでしょうか?

森谷先生: 私は主にBIMの概念的な知識を扱う「建築情報処理」という講義を担当しています。建築設計製図の授業では、これまで手書きだったところにCADやBIMを導入し、操作やここでも概念について指導しています。こちらは複数名の先生で担当しています。

―学生のみなさんは実際にBIMを触ってみて、また概念を学んでみて、どのような印象でしたか?

金子 千桜さん
金子 千桜さん

金子さん: 最初は難しかったですが、操作を通じて「ここ間違えたな」という部分や「試してみたい」という箇所を一瞬で作れる点に面白さを感じました。BIMは手書きよりもメリットが多く、特に入れ違いや勘違いを減らせること、そして初期の段階で方向性を決められることはすごいと強く思います。
用語に関しては、最初の頃は教科書読んでも覚えられないし、理解できなかったのですが、読み込むことで理解が深まってきました。

長澤さん: BIMの概念は、最初の頃はもう全く分からなかったという感じでした。しかし、資格の勉強を通じて、少しは理解できているかなと思っています。BIMが今後の建築にとって重要なことも理解できました。

早川さん: 最初はBIMの言葉が少し難しいなと思っていました。今は、通常の会話の中で用語が出てきても困らない程度には勉強できたかな、と感じています。

森谷 靖彦先生
森谷 靖彦先生

―森谷先生はBIMの概念を講義でどのように教えていますか。また印象的なことはありますか?

森谷先生: 概念の講義では、教科書(「BIM BASIC1 建築・BIMの教科書」=BIM利用技術者試験2級の公式テキスト)の1章と4章をメインに進め、将来のAI活用などの話も取り混ぜながら、楽しくやっています。プロンプトだけで建物を作れるようになったので、言葉でどれだけ建物を表現できるかというモデリング練習をしました。

【BIM試験2級合格への道、4人組でのグループ学習】

―今回の試験は森谷先生の授業でメインでは扱わなかった教科書の2章や3章も範囲に含まれますが、学習は大変でしたか?

金子さん: そうですね、授業でピックアップされなかった2章や3章の内容を学習する必要があり、時間はかかりました。また、通常の授業内で理解できたところは試験で問題ありませんが、理解できなかったところを自分なりに勉強して、試験に挑みました。

授業風景
BIM教育は、鍛(きたい)先生による「建築設計製図II」(写真)、「デザイン・シミュレーショ
ン」と、森谷先生による「建築情報処理I」の3つの授業を通して行われている













森谷先生: 工芸大の場合、2年生でこの試験を受験する人は、授業で習ったことプラス自分で一生懸命勉強しなければ取れない仕組みになっています。彼女たちは、非常にチャレンジングで学習意欲旺盛な学生たちです。

―受験前に感じていた不安と、それを乗り越えるための具体的な工夫を教えてください。

長澤さん: 試験を受ける前は、自分の勉強している分野が、試験問題にどう出てくるか、どう結びつくのかが不安でした。

金子さん: 今まで学んできた内容を、試験中に忘れて思い出せなくなってしまったらどうしよう、という不安がありました。

BIM

早川さん: 私もみんなと一緒で少し不安はありました。確実に受かるとは思っていなかったです。何度も教科書を読んでは、重要なところにはマーカーを引いていました。

長澤さん: 私も早川さんと同じくテキストにマーカーを引くことはもちろん、特に重要なところをノートにまとめ、そのノートを使ってお互いに問題を出し合ったりして記憶に定着させました。また、今回インタビューに参加できなかった1名(川杉さん)も含めLINEグループを作ってノートの画像を共有し、全員が見れるようにして情報交換をしていたのは非常に役立ちました。

金子さん: 勉強期間は2~3ヶ月程度でしたが、内容を学ぶ時には、何よりも基礎が大事だと考え、教科書の最初の部分を完璧に覚えられるように、重点的に読み込みました。

―合格を知った時の率直な感想はいかがでしたか?

長澤さん: BIMの試験は完了送信したらすぐにパッと結果が出るので、「早っ」と思いました。 当日よりも、後日マイページより結果通知書を発行した際に「合格したんだ、嬉しいな」という気持ちが強かったです。

早川さん: 結果がすぐ出るのは少し怖かったですが、「やった!」と思いました。2ヶ月間の苦労が報われたように感じました。

金子さん: 「あれ、本当に合格したの?」と疑うような気持ちでした。

【資格取得で得られたものと今後の展望】

―今回の試験は森谷先生の授業でメインでは扱わなかった教科書の2章や3章も範囲に含まれますが、学習は大変でしたか?

金子さん: そうですね、授業でピックアップされなかった2章や3章の内容を学習する必要があり、時間はかかりました。また、通常の授業内で理解できたところは試験で問題ありませんが、理解できなかったところを自分なりに勉強して、試験に挑みました。

森谷先生: 工芸大の場合、2年生でこの試験を受験する人は、授業で習ったことプラス自分で一生懸命勉強しなければ取れない仕組みになっています。彼女たちは、非常にチャレンジングで学習意欲旺盛な学生たちです。

川杉 真理さん
インタビュー当日は欠席した川杉 真理さんも
ほかの3名とともに切磋琢磨し試験に合格した

―今回の合格を通じて、身についたスキルや自信につながったことはありますか?

長澤さん: 試験勉強を通じて、最初の頃は同じツールだと思っていたCADとBIMの違いを明確に分かるようになりました。

金子さん: 要素と要素をつなげる理解の面でスキルがついたと感じています。

早川さん: BIMについて少し詳しくなれたことと、以前に資格試験で不合格が続いていた経験があったので、合格したという事実が自信につながりました。

―この資格を、今後の就職活動やキャリアでどのように活用したいと考えていますか?

長澤さん: まだ進路は悩み中ですが、建築に携わる企業に進みたいと思っています。面接の場でも、BIMを「しっかりと学んだ」ということを企業側にアピールできるので、就職活動で有利になる資格だと思っています。

早川さん: 私は設計を主にした仕事をしたいと思っており、この資格は役に立つと思っています。

金子さん: もしBIMを使う業界に就職したら、この資格をぜひ活用したいです。

―2級の上位資格である準1級・1級(実技試験)への挑戦はいかがですか?

長澤さん: 準1級はまだハードルが高く感じ、挑戦するかどうかは悩んでいます。

金子さん: 上位級は難しいと思いますが、その分重要な資格だと思うので、将来的にチャレンジしていきたいです。

早川さん: 将来的に1級までは取ってみたいと思っています。

―ほかに、今後チャレンジしたい資格はありますか?

早川さん: 来年に2級建築士を取りたいと今勉強しており、卒業後に1級建築士を取れたらいいなと思っています。

金子さん: 宅建や、就職活動に向けて自動車の免許を取得したいと考えています。

長澤さん: 私も今、宅建の勉強を、来年の受験に向けて授業と並行して進めています。

【未来の受験者へのメッセージ】

―これからBIM利用技術者試験を受験する学生や社会人の方へ、アドバイスをお願いします。

早川さん: 教科書を読んで、覚えれば解けると思います。

金子さん: 何を始めるにも、やはり基礎が大事です。

長澤さん: これからBIMをしっかり学びたいという人にこそ、この資格を目指してほしいです。この試験(2級)は、個人的には難易度がすごく高いわけではなく、本当に初心者向けで「はじめの一歩」が切り込みやすい資格だと感じています。 この資格取得が、自分のBIMの新しい可能性を踏み出せるきっかけにも繋がると思うので、迷っている人は是非ともやっていただきたいです。

森谷先生: みんなの言う通りです。彼女たちのように、建築を志す上で、この資格は大変有効です。 彼女たちは、この8~9ヶ月で大きく成長したと感じ、感動しています。

インタビューにお応えいただき、ありがとうございました!