ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

CADエンジニアの先輩に聞く

vol.1 岩倉真衣香さん

2019.4.1

先月まで医療用品メーカーでベッド製作チームのCADオペレータとして仕事をされ、ご出産のため、現在、産休中の岩倉真衣香さんにお話を伺いました。


岩倉真衣香さん
某エンジニア派遣会社にお勤めの岩倉真衣香さん
――もうすぐご出産の大切な時期にインタビューに応じていただきありがとうございます。早速ですが、まずはCADに関わるようになったきっかけを教えてください。

岩倉さん:転職のためハローワークに通っていた時期があり、その時に職業訓練校でCADの講座を受講したのがきっかけです。もともと理系が得意で、IT系のプログラミングにも興味があったのですが、倍率が高かったのでCAD3ヶ月、機械加工3ヶ月の6ヶ月コースを選択しました。それまではCADについては存在も知りませんでした。ここで2次元と3次元CADを学習し、実際に旋盤等も行い機械加工についても学び、その後CAD利用技術者試験2級を取得し、CADの仕事につきました。

――どのようなお仕事だったのでしょうか?

岩倉さん:就職したのは小規模な鉄鋼業の会社で、仕事は鉄を加工するために、CAD・CAMを使って図面と機械用の加工プログラムを作成することでした。営業事務との兼務です。前任者からの引き継ぎ期間が1ヶ月半と短かったので、その後は仕事をやりながら、ソフトベンダーのサポートに電話したりして覚えていきました。土木、機械や建築までいろんな業者さんから依頼があり、有名な建造物で使われる鉄板や部品もありました。外からは見えないところなんですけどね。加工工程を職業訓練校で学べたことも良かったです。加工方法をイメージしながら図面を作成することで手戻りが少なくなるので。CADだけではなく、そのモノがどうやって作られるかをみるのは大切だと思います。
ただ8年ほどすると会社が事業転換のため、自社での加工が無くなったので転職しました。

――次の仕事を探されるにあたって、何か希望された事があったのでしょうか?

岩倉さん:これまで2次元CADを使っていたのですが、3次元CADを使える仕事を探しました。
派遣会社に社員として入り、そこから医療用ベッド・用具メーカーに派遣され産休に入る前までここで仕事をしていました。

――そこではどのようなお仕事をされたのでしょうか?

岩倉さん:CADオペレータとして勤務し、設計者の指示のもとに介護用ベッドの2次元・3次元図面を作成しています。また作成したCADのモデルをわかりやすい角度に変更した図面を入れて、取り扱い説明書のひな型を作成したりもします。

10数名の設計者さんから、既存のベッドの一部を変更したり、新規ベッドの図面の作成を依頼されます。今あるものを変更する場合には元の3次元図面があることもありますが、新規の場合は参考図面から作成することもあります。設計者さんは、口頭で「これでやっておいて」と伝える方から、部品や溶接について図面に赤ペンで指示する方までさまざまです。設計者さんは忙しいので、コミュニケーションをとりながら進めていきます。

製品開発のスケジュールで決まっている図面の締め切りがあるので、忙しいときもあります。1日中ほとんどPCに向かってCADソフトの画面をみて仕事をするので、目の疲れや肩こりはありますが、CADを触っているのは楽しいですよ。前の会社の人には、CADはあなたの天職ね!と言われました。病院に行ってベッドを見ると、思わず下から覗いて構造を見ちゃいます。

――ものづくりとしてのCADがお好きなのですね。これからもお仕事を続けられるのでしょうか?

岩倉さん:はい、出産後も子供が保育園に入ることができたらまた仕事に戻りたいと思っています。将来は、自分でも設計できたらいいな、と思っていますし、派遣会社からは機械だけではなく建築や土木と、どこでも通用するスキルを身に付けることを勧められています。これからもCADの仕事を続ける予定です。

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CADが天職という岩倉さんは、楽しそうにCADのことを語られていたのが印象的でした。お子さんを育てながらの仕事は大変でしょうが、岩倉さんの今後の活躍を応援しています。