ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

3DCAD利用技術者100人に聞きました

Part2 CADを使用している時に体験した「あれ、こんな筈ではなかった!」「やってしまった!」などの失敗談を教えてください。

2019.4.25

どんなソフトウェアでも(そして誰でも?)、ソフトウェアの癖に慣れたり、操作スキルを身に付けるまでは、予期せぬことに遭遇することが多々あります。そんなCAD使用時の「こんな筈ではなかった!」失敗談を聞きました。


1日の作業が無駄に

黎明期からパソコンを使っている人はワープロや表計算ソフトウェアでも経験していると思いますが、多くの方がソフトウェアのフリーズや強制終了によりデータを保存できなくなった経験を持っています。2時間、3時間は当たり前(?)。切実な体験をされた方の声をご紹介します。

データが…

「朝、CADを使って設計を始めてから、途中、保存せずに夕方まで8~9時間作業続け、その日の業務を終えるために保存しようとしたところ、保存できずにCADがフリーズ、強制終了となり、1日の仕事がすべてパーになった。まめに保存する事の大切さを知った。」

「3D系の多くのCADは、ソフトが異常終了した時のバックアップが無く、ある日、一気に作業していたがために1日分の仕事を全て失った。」

「データが壊れるとかなり精神力が削られるのでこまめな保存が大事だと気づかされた。」

「取り扱うデータを大きくしすぎてソフトがフリーズし強制終了した。

「データの上書き保存を怠ったため作業をやり直した。」

フィーチャの作り方によっては・・

「急ぎの業務だったため、各フィーチャをリネームせずにどんどんとモデリングしてしまった。徐々に目的の項目を探す手間が増え、効率が落ちた。」

「フィーチャの作り方が最適でなく変更時に膨大な遡り作業が発生した。」

時間が…

拘束は経験?センス?

「拘束の付け方や、モデリングの順序の仕方で、後の流用設計がしにくい場合がある。あとで後悔することがしばしばある。」

「3Dスケッチの際の拘束条件,寸法付が難しい」

「拘束不備で形状が変更うまくできない。」

「形状変更により拘束条件が崩れてエラーになった。」

「2Dで拘束が意図した形ではなかったのか、Rを変更したら形状が変わってしまった。」

難しい?データ共有

「人の作ったモデルの拘束がめちゃくちゃで設計変更に苦労した。苦労して作った形状が別のコマンドで簡単に作れることを知った」

「ルールが決まっていないため、拘束条件が異なりエラー解除に時間がかかる。人のデータは極力使いたくない。」

「他人が作った3Dデータの拘束・作図手順が読み取れずに、思うように編集ができなかった。」

共有したいの…

「部署内でモデリングルールの徹底が出来ておらず、元のモデルを変更するより新規作成した方が早い事がままある。」

「複数人での同時設計でファイル名称ルールを定めなかったため、最新データが不明確になったり、上書きミスなどで修正工数が発生した。」

データ不備に気付かずに加工

「寸法拘束が複雑で他の人が形状変更した際に一部変更されず、加工まで進んでしまった。」

「データ変換時におかしくなったことに気づかず3Dプリンタで出力した。」

「製造部門へデータを渡す時、中間公差への変換を忘れて、部品が組み付かなかった。その後、部品に修正が発生した。(費用も発生)」

ここが腕のみせどころ!

「部品を組み立てる順番で拘束をつけると後の修正もかんたんです。」

「実務では、いかに後工程を意識して履歴を組み立てるかが腕の見せ所だと思う。」

失敗は成功の母!ですね。みなさんご協力ありがとうございました。