識者から受験者へのエール!

3Dプリンターは用途も可能性も広い分野です。
将来への対応力をつけるために、
この検定試験を活用いただきたいですね。

田中 浩也氏 博士(工学)
慶應義塾大学環境情報学部教授
慶應義塾大学SFC研究所所長

京都大学総合人間学部卒業、人間環境学研究科修了、東京大学大学院工学系研究科博士後期課程修了。博士(工学)。東京大学生産技術研究所助手などをへて、2005年慶應義塾大学環境情報学部専任講師、08年同准教授、16年同教授。新しいものづくりの世界的ネットワークであるファブラボの日本における発起人であり、2011年には鎌倉市に拠点「ファブラボ鎌倉」を開設した。

全体をきちんと学ぶために活用したい
3Dプリンター活用技術検定試験

今、産業界では、さまざまな角度から「3Dプリンター」の活用が進んでいるが、家電量販店やネットなどで個人ユーザーが手軽に入手できるようになってからは、まだ5年ほどしか経っていない。ところが、今から10年ほど前にすでに3Dプリンターを個人で入手し、使い始めた人物がいる。慶應義塾大学の田中 浩也氏だ。 田中氏は、デジタル技術とものづくりの世界をつなぐ最も必要な技術の1つとして、3Dプリンター全体を、きちんと学ぶことが必要だという。
「3Dプリンターは、何ができるのか範囲が広い分、その可能性も広い分野です。将来的に仕事の現場で必要に駆られる時がくる。その対応力をつけるためにも、我流ではなく、一通りのことを漏れなく体系的に学ぶことが重要です。『3Dプリンター活用技術検定試験』は、3Dプリンターの全体を体系的に学ぶことができる資格制度として、ぜひ活用いただきたいですね。」

いち早く3Dプリンターを導入し
先進的な取り組みを実践

大学在学中、製図がドラフターからCADに大きく進化するのを目の当たりにし、さらに「立体になったらもっと建築が面白くなる」と教えられた田中氏は、3次元CAD上で表現した曲面や曲線が実際に「モノ」として出力される3Dプリンターの存在に興味を持つ。
「2007年当時、ようやく家庭用としてアメリカのFab@home(ファブアットホーム)とイギリスのRepRap(レップラップ)が登場し、さっそくFab@homeを購入しました。」
実際に手にした当時の低価格3Dプリンターは、田中氏の予想に反し機能が低く、大学の研究室で改良を重ねる必要があったという。
だが、こうした先進的な取り組みは、コンピュータやインターネットを積極的に教育に取り入れてきた大学側にも評価され、現在は学内に16台もの3Dプリンターが導入されて、学生が自由に使える環境が構築されている。

3Dプリンターの最大の魅力は
「モノの力」

田中氏は、3Dプリンターの最大の魅力を「モノの力」と表現する。
「3Dプリンターは、社長プレゼンのキラーアプリケーションです(笑)。プレゼンテーションツールを使ったプレゼンはコモディティ化していて、企画の良し悪しが伝わりません。でも、『モノ』にすると多くの人が興味を持ち、さまざまな意見がもらえるようになる。アイデアを人に伝えるためのメディアとして、新しい広がりを見せるのです。」
従来の「ものづくり」は、製造業や建築業など、まさに「モノを作るための業種・職種」のためにあった言葉だが、田中氏のいう「モノの力」は、これまでまったくものづくりに携わったことのない分野の人にも、モノを作る喜びを与えてくれる。大学でも3Dプリンターはメディアセンター(図書館)内のファブリケーション施設に設置されており、学部、研究科を超えて「モノの力」を利用することができる。
「経験のない人だからこそ、飛躍が大きい。欲しいもの、作りたいものをカタチにすることは難しいことじゃないということが、3Dプリンターで体験できるのです。」
今後、3Dプリンターから生み出されるモノが製品として市場を得るためには、斬新さだけではなく、「安全」「安心」「衛生的」といった、製品としての「質」や作り手の「責任」が求められるようになる。だからこそ、「今のうちに正しい知識を体系的に習得しておくことが必要」なのだと、田中氏は熱く語ってくれた。
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